あたしに明日は来るのでしょうか。



「──なぁ、チャイム鳴ったら起こしてくんね?」


授業が始まって暫く経った時、ふと、そんな声が聞こえて右隣に顔を向ける。


「......何で?」


「だって、映画とかつまんねぇし。しかも、何でよりによって恋愛の映画なんだよ」


そう言って、頭をガシガシかいた後、眠そうに大きいあくびをする榊。


「......まぁ、男子にはそんなもんだよね」


女子は恋愛の映画大好きだから、周りを見れば、真剣な表情をしてみている。


「つーかよ、俺らこんなん観てる暇ねぇだろ」


......うん。


「確かに」


こう見えても、あたし達受験生だしね。


榊が言ってることに間違いはない。


珍しく正しいこと言ってるな。


< 280 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop