あたしに明日は来るのでしょうか。
「──なぁ、チャイム鳴ったら起こしてくんね?」
授業が始まって暫く経った時、ふと、そんな声が聞こえて右隣に顔を向ける。
「......何で?」
「だって、映画とかつまんねぇし。しかも、何でよりによって恋愛の映画なんだよ」
そう言って、頭をガシガシかいた後、眠そうに大きいあくびをする榊。
「......まぁ、男子にはそんなもんだよね」
女子は恋愛の映画大好きだから、周りを見れば、真剣な表情をしてみている。
「つーかよ、俺らこんなん観てる暇ねぇだろ」
......うん。
「確かに」
こう見えても、あたし達受験生だしね。
榊が言ってることに間違いはない。
珍しく正しいこと言ってるな。