あたしに明日は来るのでしょうか。



「つーわけで、よろしく」


そう言って、伏せようとした榊の腕のシャツを咄嗟に掴む。


「......どした?」


そんなあたしに、首を捻りながら起き上がる榊。


「えっ......あ、えーと......」


今しか聞くチャンスないと思って。


なんて嫌でも口にすることが出来ない。


咄嗟の行動だったから、次に発する言葉を考えてなかった。


「......んだよ」


「えーと......」


「言いたいことあるならハッキリ言えよ」


そう言った榊の声は、眠いのか知らないけど不機嫌。


「や、やっぱ何でもないよ。ハハ......」


榊の腕のシャツから手を離すと、苦笑いを浮かべる。


また、いつか聞けれるよね。


なんて呑気に考えていた。


< 281 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop