あたしに明日は来るのでしょうか。



「ふーん。それならそうと、俺、頑張れる気がするな」


「え?」


あたしの言葉にスルーしてそう言った榊に、拍子抜ける。


てっきり、バカにされると思ってたから。


でも、榊、真に受けてないしそこまで気にすることじゃなかった。


そのことにホッとする。


でも、榊......今頑張るって言ったよね...?


それは、アピールするってこと......?


「ま、お前には言わねぇけどな。せいぜい結果を楽しみにしとけ」


「......うん」


いい気分じゃないけど、榊の好きな人だもんね。


きっと上手くいくよ。


あたしは、何にも出来ないけど。


榊の好きな人には叶わないけど。


「頑張れ」


あたしには、応援する選択肢だけならある。



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