あたしに明日は来るのでしょうか。
●*想い
あれから、特に何事もなく、1週間が過ぎた。
「あ、そう言えば薫さ、誤解解けたんだよね?」
隣を歩いている陽架里に、小さく頷く。
今から部活だ。
「そっか。それなら良かった」
「まさか、萌衣ちゃんの好きな人が榊の弟だったなんて」
ビックリしたし。
何より被ってはいるけど、被らなかった事は奇跡に近い。
てゆうか、その前に榊に弟がいるだなんて、知らなかったし。
「あ、そうよ。薫の誤解が解けたらあれ、言う約束だったよね」
思い出したようにそう言った陽架里。
「うん。早く聞きたくて仕方ない」
ははっと笑いながら、陽架里の言葉を待つ。
萌衣ちゃんにとってはいい事だったに違いない。
あんな嬉しそうな表情を見たのは初めてだったから。