あたしに明日は来るのでしょうか。



「もう......酷いです先輩」


「なら、萌衣ちゃんの口でもう一回言えばいいじゃない」


陽架里の言葉に、ハッとした表情を浮かべる萌衣ちゃん。


「薫先輩」


「は、はい」


シャキッとした表情をあたしに向けてきた萌衣ちゃんに、思わずつられてあたしもシャキッとする。


「わたし、雅人とつい1週間前から付き合い始めました‼︎ ありがとうございます‼︎」


そう言って、勢いよくお辞儀をする萌衣ちゃん。


雅人って......呼び捨てだ。


ていうより、榊の弟の名前は雅人くんなわけね。


覚えとこう。


「でも、あたしは何もしてないけど......」


「いや、そんなことないです‼︎ 十分助けられたんです‼︎ わたしの為に相談に乗って下さって」


「......」


そう言うと、ゆっくり顔を上げる萌衣ちゃん。


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