あたしに明日は来るのでしょうか。
それと同時に胸にあったわだかまりがなくなった気がしたんだ。
だって、あの時......相談してる最中でも、浮かない顔してたから......わたし、その原因が分からなかったんだ。
同じ名前だし、兄弟だから、性格も似ていて。
勘違いするのは当然だよね。
だなんて思ってしまった。
そして、薫先輩には酷いこと言っちゃうかもしれないけど、好きな人が被らなくて良かった。
って、素直に思うんだ。
「......ふぅ...」
静かな教室で静かに肩の力を抜く。
......雅人、まだかな。
今日、何の日か忘れちゃって帰っちゃった...?
約束していることも忘れて帰っちゃったのかな......
そんな不安に呑み込まれないように頭を振ると、教室の壁にかけてある時計に視線を向けた。
萌衣side*END