ただ、ブレーキの仕方を知らないだけ。
「ねえ、きいてる?」
「うん、うん。」
僕は相槌をうちながら彼女に向きなおす。
僕の破壊的な妄想は飛行機雲と一緒に消える。
「別にあたしは悪くないじゃん?向こうが謝るべきでしょ??」
「そうだね~。」
僕はまた煙でわっかを作り始める。彼女はニコニコしている。
「でもよかった。」
「何が?」
彼女も煙を吐きながら言った。
「またこうやって話せるようになって。あたし嫌われてるかとおもってたし。」
僕はわらった。
「感情ださないよね。だから別れるとき、本気で首しめようとしたのかとおもったよ。あたしバカみたい」
彼女は笑った。
僕も笑った。
太陽が雲に隠れた。
僕はタバコを彼女の頬におしつけた。