あなたに逢えた~believe~
私のマンションに着く。

「あの…内海くん。昨日、借りていたジャージ」

内海くんに紙袋を手渡す。

「ありがとう。あ、そうだ」

内海くんが後部座席から紙袋を取ると、私に手渡した。

「昨日、携帯預かってくれたお礼」

「…え」

「俺の母親、調合師でさ。
香水なんだけど、篠原さんに渡して欲しいって」

「…でも」

「受け取ってくれない?
篠原さんが気に入らなかったら、誰かにあげていいから」

その言葉に、慌てて首を横に振る。
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