君の名を呼ぶ度に。
お母さんは意味ありげに手でハートマークをつくる。

「昂くんと遊亜の初デートだもの~嬉しいのよ!特に私が!」

なんてこと無い発言なのに

普段なら嬉しいはずなのに

耳を塞ぎたくなる自分がいる。

「ははは」

そっと螺旋階段の隙間から覗くと明らかに昂はお母さんにひいている様にみえる。


顔にでやすいんだ……

昂って。

そうやってまた、翔と違うところを見つけてしまう。

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