君の名を呼ぶ度に。
これから病院にいくのにこんなことじゃ駄目じゃん……

そう思って、気合いを入れる。

「何、気合いいれまくってんの?」

『へ?』

いつの間にか、昂が階段の手すりに顎をのせてこっちをみている。

ばれちゃったかな……?

一瞬ドキッとしたけど、昂は気にしてない様子で

「準備できたんなら、早くいこうぜ?」

と何故か耳元で囁いた。

あれ?

キャラ違うくない……?


不思議に思ってそれとなく聞いてみると

「翔の真似」

ってつぶやいて
笑った。


あ……

また無理してる─


『そっか』

それでも

しょうがないことってきっとあるよね?

< 20 / 42 >

この作品をシェア

pagetop