君の名を呼ぶ度に。
真っ白い壁が続く廊下で流れる雰囲気は初夏だというのに重苦しくて。

長い沈黙も尚更長く感じる。

「……俺……??」

やっと口を開きかけた昂に返す言葉も見つからない。

……なんで、あんなこと言ったんだろ─

『冗談』

そう言って苦笑い。
笑うしかないよ。
昂。ごめんね。


あたし、壊れちゃったみたい。
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