君の名を呼ぶ度に。
「何?」
教室の扉に手をかけて
振り返る。

「あ…ううん。やっぱ何でもない」

私変だね。と笑いながら美紅は頬を紅潮させて

ごめんねと呟いた。

「変な奴」

そんな美紅に昂は照れた顔をしながら頭をかく。

誰だって分かるよ。


美紅は昂が好き。
昂は美紅が好き。

お互い気付いていないだけ。

あたしはその事実が

"怖い"

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