君の名を呼ぶ度に。
美紅の微笑みを奪うのはあたしだよ?

昂のしあわせを奪ったのはあたしだよ?

翔の日常を奪ったのはあたしだよ?


あたしの日常も奪われるべきなのに飛び立とうとしている小鳥の翼をもぎ取って。

自分のものにするんだ?
「ゆあ?」
……気付いたらあたしはノートにむかう美紅の手を止めていた。

『美紅……あたしは昂と付き合ってるの』

「え……」

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