君の名を呼ぶ度に。
先生は傍からみたら勝手に出て行った美紅を追おうともしないで何事も無かった様に授業を始めている。

パラパラと教科書を開く音。
ノートに書き込む音。

それに混じって先生の声が聞こえる。

教師の癖に……。
泣いている生徒を気にかけもしないなんて。

あたしは心の中で悪態をつく。

いらいらしていた。
悲しんでいた。
怒っていた。
絶望していた。

この世界にも…自分にも。

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