君の名を呼ぶ度に。
昂はあたしの髪をくしゃっとさせながら、瞳を反らした。

「そうだな」

そんな事を呟き、伸びをする。

「なあ……俺は翔になれそうもない」

『うん』

「だから俺は死にたいって何よりも願うよ」

そう言って微笑んだ昂には覚悟は出来ているみたいに見えた。

その笑顔に偽りはなかったから。

『あたし、なんだか汚いね……』

昂は悪く無いよ。
悪いのは


あたし、なんだ─
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