夏と君を好きになった日。
「起立、礼」
「「「お願いします。」」」
「着席」
先程の雪との戦いで目が覚めたとおもっていたが、流石に社会は辛かった。
長ったるい話を聞きながら、ついとうとしてしまう。
ふっと体の力が抜ける。
カチッカチッと腕時計がすぐ耳元で時を刻む音を鳴らしていることから
私は授業中なのに、伏せて寝てしまっている事に今更気付いたが
起きる気力もなくそのまま寝てしまった。
どれくらい寝たのだろうか。
はっとし、顔をあげると皆いなくなっていた。
机の角に紙がはってあるだけで、
電気も消え、数年間使っていないがらんとした空き教室のような空間にたった一人でいるような。