あいつと最後の恋愛・・・できますか
エレベーターが到着する直前に唇が離れた。

「聡・・ここ何処かわかってる?」

「エレベーター」

「じゃ無くて・・・会社でしょ・・・」

扉が開き、そこには数人の人が待っていた

「お疲れ様です」と言葉を交わし、エントランスへ向かった。

「聞いてるの?」

「ああ聞いてる」

「今度したら・・殴るよ」

「俺に勝てるかな・・・」少し笑いながら言った。

「・・・あんた・・・もしかして・・・S?」

「さぁな」と口角をあげて笑った。

ちょっとばかり聡を知ってしまった・・・。

この先・・怖!と心の中で思った。

玄関を出るときに受付の子と一緒になった

「あ・・・お疲れさまです・・・水島さん」少し色目を使って言って来た。

「お疲れ」素気ない態度で返していた。

今度は・・・受付かよ・・・一瞬嫌な予感がした。

さっと私の肩を抱き、車へ向かった。

後ろからの痛い視線を少し感じた。

「玲気にするな。もう過去のことだから」

やっぱり・・・

引きずってるな・・・あの様子だと・・・

聡・・・あんたが思っているほど、女ってできたやついないよ・・・

始まったばかりだけど、少し不安がよぎった。

最後の恋愛・・・大丈夫かな・・・?

車に乗って家路に向かった。
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