あいつと最後の恋愛・・・できますか
「は?あなた結婚しているんでしょ?」

「ええ・・親同士の決めた結婚で・・・彼には今彼女もいるみたいだし
だから私も好きな男と一緒にいようと思って・・・」

「ほんとにいるの?だから仕返しする為に聡と?」

「出会ってから昔を思いだして・・・」

「だから・・・あなたそれ勝手過ぎませんか?」

「お願い・・玲さん・・聡さんを・・」

「それは・・・」と言いかけた時、

コーヒーを飲もうとした瞬間ハンカチで口を押えた。

「理香さん・・あなた・・もしかして・・」

「大丈夫です。すいません」

「ご主人はご存じなんですか?」

「・・・いいえ」

「話しあわれたほうが・・」

「すいません今夜は失礼させてもらってよろしいですか?」

「ちょっと待って。会ったのも何かの縁ですから・・」

その時、携帯が鳴った。

「主人です・・」

「私は大学の友人としておいてくださいね」

鳴っている携帯を取り、電話に出た。

「始めまして。友人の今川と申します。今、理香さんが・・・」

説明すると駅まで迎えに来ると言っていた。

「理香さん・・・旦那さんとお話しましょうね」

「玲さん・・」

「聡のことはまた今度ということで・・・今は体調を・・」

二人で駅前のロータリーで待っていると、ベンツが目の前に止まった。

「すいません!妻が・・」慌てて降りてきた。

「いいえ・・理香さん大切な身体なんでちゃんとしてくださいね」

「理香・・・大丈夫か?」体に寄り添いながら車に乗せていた。

見た目は浮気するような人には見えなかった。

「すいません。毎日仕事で・・理香をかまう時間もなくて・・」

「お仕事も大事ですが、理香さんも大事にしてくださいね」

「はい。ありがとうございました。ではこれで・・」

「玲さん・・」窓ごしに声を掛けられたが、

「理香さん。じゃ・・お大事に」と笑顔で伝えた。

その場で手を振り車を見送った。




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