あいつと最後の恋愛・・・できますか
「そうだよ。かなりあったな・・・」

「兄貴と俺、結構話あったよな」

「ええ・・ありましたよ。玲さんは知らなかった?」

「知りませんでした・・・」

「兄貴も断り続けたよな」

「当たり前だろ。瑠璃と結婚する為だよ」

「誠也さん・・・そのへんで」

「だな・・」笑っていた顔が聡そっくりだった。

イケメン兄弟・・・美人な奥さん・・・両親は有名人・・・

聡の知らない部分を今日知った。

この人で本当にいいのか・・・本当に最後の恋愛はこの人でいいのか?

住んでいる世界は今は一緒でも、今のこの現状を見ると違いすぎて

不安がよぎった。

考えたくはないが、別に私じゃなくても・・・

もっとこの世界にあった人が聡には似合ってるのかも・・・

どんどん悪い妄想に走って言っている自分にどうしようもなくて

自然とため息をついてしまった。

「玲・・どうした?」

「え?あ?ごめんなさい・・何でも無いわ」

「疲れたか?」

「大丈夫?玲さん?」

「緊張していたのが・・・」

「そうね・・いきなりこんな世界みせられてもね・・」

「聡、すこしづつ見せないと」

「そうだな・・・これからそうする」
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