あいつと最後の恋愛・・・できますか

「・・・何か悩んでいるのか？」

「移動になったでしょ。だからすぐには・・・」

「そうか・・」

「でさ・・・聡の家のことが・・・」

挨拶に行ったことをすべて話した。

「おまえ・・それって・・マジか？」

「うん・・・」

「・・・・お前の家もそこそこだけど・・・聡の家って相当だぞ」

「でしょ・・そこでこの移動でしょ。私の気持わかる？」

「・・そうだな・・この部署で家庭の両立って難しそうだもんな・・」

「そりゃしてる人もいるけど、みんな契約社員でしょ。それにその人達は補佐でしょ
出張、休日出勤も無し。私はそうはいかないでしょ・・・だから・・・」

「聡がこっちに移動したらもっと大変だろうしな・・・」

「そうだね・・・」

「俺も極力助けるからさ、海外事業部で初、結婚しても社員を続けるって
やってみろよ」

「あんた簡単に言うけど・・・嫁ぎ先を考えてよね」

「あ・・・そうだった」

「こんなこと聞くのも野暮だけど、玲は仕事と家庭とどっち取る？」

「そりゃ・・聡と言いたいけど・・・仕事も・・・」

「おいおい、聡って言えよ」

「けどさ・・ここまで頑張って来たから仕事もやってみたいの」

「お前そんなことしてたらお前ら止まってしまうぞ」

「・・・そうはならないようにする。聡と一緒なら大丈夫でしょ」

「だといいけどな・・」

「元はあんたが私をほしいって言わなきゃ・・・」

「しかなないだろ、沙織さんと玲なら、玲のほうが今は動けるし、沙織さんは
おめでただし・・・」

「え？沙織が移動だったの？」

「ほんとはな・・・ここだけの話だぞ」