あいつと最後の恋愛・・・できますか
「聡・・とんだ接点があったね」

「名前は聞いたことはあった。でも、まさか兄の親友とまでは、知らなかった」

「見たことはなかったの?」

「遊びに来ていたとは思うけど、会ったことはないな」

「聡・・・もう少し覚えててよ」

「そうだぞ、聡」

「ごめん、知り合いが多すぎて・・・」

「聡、あんたの人脈今度ゆっくり聞かせて」

「・・・わかる範囲でな」

聡という人物が少し恐ろしくなった。その妻になろうなんて・・・

覚悟を決めたが、少し悩みごとも増えたような気がした。

会議室から出てみると、海外事業部のお局様と呼ばれている

楠原さんとすれ違った。

「玲、久しぶりね」

「美紀子さんこれからよろしくお願いしますね」

「こちらこそ。敏則、はいこの資料」

「ありがとうございます」受け取った。

「玲、あんたこの部署に来たら行き遅れるわよ。大丈夫?」

「え?行き遅れるって・・・」

「私がそうでしょ。32歳独身。お局って言われてもう5年。意味わかる?」

「でも先輩・・彼・・」

「玲!」自分の口元に指を置いた。

私は知っていた。井上課長と付き合っていることを・・・。

「結婚なんてね・・・」

その言葉に美紀子さんにも何か事情があるように感じた。

「まぁ早く仕事に慣れて。じゃ」その場を去っていった。

「この部署って色々ありそうだな。俺が知らないだけか?」

「敏則にはいわないでしょう。後、聡にもね」


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