あいつと最後の恋愛・・・できますか
帰り道、井上課長と駅前で会った。

「お疲れ」

「部長、お疲れさまです」

「あ・・課長お時間あります?」

「え?もう帰る所だから・・」

「美紀子さんは?」

「彼女なら今夜最終で帰って来るよ」

「それじゃ食事でも行きませんか?」

話ながら、いつもの居酒屋へ向かった。

個室に案内されたので色々聞いても大丈夫だと思い、唐突に聞いてみた。

「課長・・この部署って女性社員は結婚するとみんなやめていくみたいですね」

「そうだな・・・確かに。海外へ行ったり、長期の出張、下手すりゃ転勤、
そこで両立って言うのは無理なんだろうな・・・」

「相手が同じ部署でも?」

「・・・そうだな。お前達も・・・今川さんならどうする?」

「私も今考え中で・・・美紀子さんに相談しました」

「玲・・・」聡が悟ったのか、会話に入ってきた。

「いいよ。水島・・・久しぶりに、玲ちゃんでいいか?今は仕事も終わったし」

「いいですよ。どうぞそのほうが懐かしいですから」

「玲ちゃん・・・俺さ美紀子に断られたんだ」

「聞きました。その話を聞いた時の美紀子さんが気になって・・・」

「そっか・・・美紀子も相当悩んだもんな」

「同棲は続いているんですか?」

「まだ一緒には住んでるよ。でも美紀子が出て行こうとしている」

「それ、止めてもいいですか?」

「玲ちゃんが?」

その一言に不思議そうな顔をしていた。
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