あいつと最後の恋愛・・・できますか
家に着き玄関を開けると、薫子さんが飛んで出てきた。

「玲さん!やっぱりそっちを着たのね!」

「はい・・聡と色を合わせましたので・・・」

「でもその服結構セクシーでしょ」

「そうなんです・・さっき聡も・・」

「あら。聡が妬きもち?奥さんが綺麗だと困るのかしら?」

「薫子さん。まだ奥さんじゃないですよ」

「もう決まったもんでしょ。さぁ髪のセットをしてからね。聡はあっちで待ってて」

玄関で別々に別れた。

この間の部屋とまた別の部屋に案内され、入ってみると、まるでここは別世界?と

思わさせられるような衣装とメイクだけの専用の部屋だった。

「じゃ・・お願い」

担当の方が来てセットが始まった。

カーラーで巻かれ、あっと言う間に綺麗なアップの髪型になった。

少しメイクも直されて、私は誰?というぐらい変わってしまった自分をじっと見ていた。

「玲さんどう?」覗きにきた薫子さんがニコッと笑った。

「・・・玲さんを普通の会社員にしておくのが勿体ないわ・・・」

「薫子さん・・すいませんこんなに綺麗にしてもらって・・・」

「もうやりがいがあって、もっと着せ替えたいわ」

「もう勘弁してください」

「あら・・勿体ない・・・。聡が見せたくない意味が分かったわ」

「私も慣れていないので緊張します」

「今夜は私より玲さんの話になりそうね」

「大人しくしてますので、かんべんしてください」

「じゃ行くわよ」

部屋を出てみんなが待っている会場へ急いだ。
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