あいつと最後の恋愛・・・できますか
「・・・実は私ね・・・彼とは別の人との結婚が決まってたの」

「え?・・・結婚?」

「そう。親が決めた結婚」

「どうして・・断ることはできないんですか?」

「断ったわよ。その代りっていうか・・・勘当されちゃった。だからこんな理由
彼にも言えない訳。それに彼の両親にだって失礼でしょ。だから断ったってこと」

「そんな・・・」

「だから、私は海外赴任を自分から希望して仕事を選んだ。だけど、
敏則が・・・ってこと」

「って言うことは日本にすべて置いて行こうと?」

「そうでもしないとやっていけないわ。玲、私だって強く無いの・・・」

「じゃこれからどうする気ですか?それに課長だってまだあきらめていませんよ」

「・・・そうね・・・話し合わないと・・ね・・」

「課長から聞きました。出て行くつもりなんですね」

「ええ・・だって住んでても辛いし・・・」

「美紀子さん、本心を聞かせてください」

「ん?」

「まだ愛していますか?」

「ええ・・今でも・・でも・・言えないわ・・・」悲しく微笑んだ。

「美紀子」その声に振りかえると課長と聡が立っていた。

「え?嘘・・・」

「課長!遅かったじゃないですか」

「ごめんな、玲ちゃん、水島も連れてきたよ」

「とうことで・・・じゃまた明日。あ・・課長、今の話聞いてました?」

「ばっちり」

「は!玲・・・やったわね・・・」

「ということで・・・後輩は怒られる前に退散します」

「待って、玲、水島」鞄を持った手を掴まれた。
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