あいつと最後の恋愛・・・できますか
お互い鏡を見ながら話をした。

「今までなら我慢できたのに・・・」

「そんなもんよ。本気で好きになった奴ならなおさらよ」

「美紀子さんはどう乗り越えましたか?」

「仕事・・・」

「そうなりますよね・・・」

「それとも・・・辞めてついて行くって手もあるけど?」

「・・・ついていくか・・・」

「暫く辛いかもしれない。でもねいつかは慣れる。私みたいにね」

化粧を直し、最後に口紅をひいた。

「玲、その唇・・色っぽいね・・キスしたくなる」

「え?美紀子さん?」

「冗談よ!聡だけにしなさいね」

「もう・・美紀子さんたら・・」

笑いながらトイレから出てみると、廊下で聡が電話をしていた。

私を見つけて慌てて切った。

「玲・・ちょっと」

「何?」

休憩室へ向かった。

「仕事終わったら玲の実家に行くから」

「え?どういうこと?」

「行けばわかる。じゃ定時に帰るぞ」

「・・わかった。それだけ?」

「ああ・・俺ちょっと連絡することあるから、先に戻っててくれ」

「わかった」

少し聡の態度が怪しかったが、仕事に戻った。

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