あいつと最後の恋愛・・・できますか
所どころ聞こえる声が気になった。

「じゃ・・父さんは?」

「薫子さんの帰国こと・・・」

「じゃ・・俺の仕事次第だな・・・」

「じゃ・・病院は?」

「お前なぁ・・・」

聞こえてくる言葉では全くわからなかった。

「玲、ちょっと来てくれ」

「はい、ごめんね、ちょっと待っててね」

ソファーに戻り、話を聞いた。

「玲さんにいきなりこんな話するのも何だけど・・・」

「何でしょうか?」

「薫子さんが、年末に帰国するのよ。それでその時に家族だけで
あなた達の結婚式を挙げようと考えてたのよ」

「は?」

「だから・・・結婚式をね」

「聡?知ってたの?」

「昨日知った・・・」

「え?だからこそこそ電話を?」

「そうなんだ・・・」

「だから年末に入籍って言ったの?」

「それは違う。前から決めてた。式の事はいきなり決まったんだ」

「急に?無理じゃないの?」

「そうなんだ・・・だから調整してる」

「聡・・・式は挙げないとだめかな・・・」

「え?」

その一言にみんながこっちを見た。
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