あいつと最後の恋愛・・・できますか
何とか仕事を終わらせて、敏則にメールを送った。

定時になったと同時に帰らせてもらった。

聡に連絡を入れると会社の下に来ていると言ってくれた。

急いで降りて玄関を出ると、車の中で待っていた。

ふらふらの私にはありがたかった。

「お待たせ・・・」

「お疲れ・・じゃ行くぞ・・」車を走らせた。

帰り道の途中、信号で止まった時・・聡がとんでもないことを言った・・。

「玲・・結婚のことだけど・・・無理かもしれない・・・」

「え・・・どう言うこと?」

「親父のことで・・会社が変わりそうなんだ・・・それをなんとかするために
俺が会社に入るけど、俺も今のようにはいかないと思う。
玲に負担かけるわけにはいかないから・・だから・・結婚はできない・・・」

それが・・聡を悩ませていた原因・・・だったんだ・・・。

「聡・・・止めて・・」

車を路肩に止めた。

「聡、何で言ってくれないの?そんな大切なこと・・」

「ごめん・・悩んだ結果なんだ・・・」

「一人で悩まないでよ・・私だって・・そんな聡見てるの辛かったんだよ・・
昨日の聡を見て何も言ってあげられないし・・・どうすることもできないし・・・
私だってどうしたらいいのか・・・」

言いながら涙が溢れてきた・・・

「玲・・・」

「ごめん・・泣きたいのは聡のほうだよね・・・」

シートベルトを外しドアを開けた。

「聡・・ごめんね・・」降りようとした時、

「待てよ」腕を持たれ止められた。

「離して・・お願いだから・・・」聡の手がすっと離れた・・・。

黙ってドアを閉めて、来た道を戻った・・・。
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