あいつと最後の恋愛・・・できますか
「何よ・・意味わかんない・・・」

聡がコーヒーのカップを置いて私の横に座った。

「玲・・・」私の髪に指を通しながら触れ始めた・・・

「ねぇ・・・どうしたの?・・・」

「これからのことだけど・・・」

早速、聞きたくない言葉を言った。そっか・・やっぱりこれが最後の思い出かも・・

だから・・このホテルで過ごすんだ・・・。

「それが・・・どうしたの?」

「この前・・・俺が言ったこと・・・撤回していいか?」

「撤回?・・・は?」その一言にきょとんとしてしまった。

「だから・・・玲との結婚のことだよ・・・」

「・・・無理って言ったじゃない・・もう無理だって・・」

「ごめん・・・あの時は・・本当に無理って思った。でもな・・
玲が倒れた日・・課長からの電話で・・怒鳴られたんだ・・・」

「そんな・・聡だって悩んで出した結果だったでしょ・・・」

「玲のことちゃんと見てないのはお前だって言われたんだ・・・」

「課長がそんなことを・・・」

「ほんとに・・不安にさせてごめんな・・」

やさしく抱きしめてくれた・・・。

「ずっと傍にいてほしい。やっぱり・・玲じゃないとダメなんだ・・俺・・・」

堪えていたものが一気に出たのか・・涙が止まらなくなってしまった。

「玲・・・」震える体をギュッと抱きしめてくれた・・・

「聡・・・」服を握り締めながら暫く泣いた・・・

覚悟していたのに・・・まさか撤回って・・・でも素直に嬉しかった・・・。
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