あいつと最後の恋愛・・・できますか
「玲って運転うまいな」

「だってドライブ大好きだし、それにこの展望台一人でも来てたから」

「さみしい女だな。俺でも誘えよ」

「ばか!彼女もちを誘うわけないでしょ!」

「そうだよな・・」

展望台が見えてきた。駐車場に止めて景色が見える所まで歩いた。

風が気持ちいい・・景色も最高・・今日は来てよかったと思いながら景色を見ていると、

後ろから抱きしめてくれた。

「聡?」

「玲とこんなことできるの初めてだし、誰も見てないし」

こんなに気持ちがドキドキしたりキュンとなったり、うれしくなったり、

これだけの気持ちを一日に感じるなんて、今までの私の恋愛経験って何だったんだと

思わされた・・・。

聡がこんなに積極的で、甘え上手で、私の思っていることが言わなくてもわかるなんて

いい男がそばにいたのに・・・と思わされてしまった。

「寒くないか?」

「聡がいるから温かいよ」と後ろを振りかえったら、軽くキスをしてくれた。

「ばか・・・ここ外でしょ」突然の聡の行動に驚いて、下を向いてしまった。

「やっぱ玲って可愛い・・」抱きしめている腕がまたさっきより力が入った。

聡と過ごす時間がこんなに楽しいなんて時間が経つたびに思ってしまう。

もっと一緒にいたい・・・そんな気持ちが心の中で増していく・・・

沈む夕日を眺めながら思っていた・・聡が言った言葉が耳に入った・・

「玲・・・ずっと一緒にいたいな・・」

思っていたことが同じなんて・・嬉しさと驚きで言葉が出なかった。

何も言えず、聡の腕をそっと触った・・

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