あしたになれば
第1章
空を見上げると星が無限に広がり暗闇を感じさせない。
耳障りな音も無い、虫の声が眠りを誘う。

物足りないことは娯楽がない事だろう。
友人から取り寄せる、雑誌、DVDが娯楽が無いことに気付かせる






……

―なんで、こんな田舎に住まなくてはならないんだろう…

辰巳は、朝目覚めるといつもそう思う。


両親のわがままで、勝手につれてこられて6ヶ月
東京に住んでいた頃は、町に出れば遊ぶ場所があった。的確にいうなら暇を潰す場所があったと、言えばいいのだろう。


1日がとても遅く感じる

高齢出産の両親にとっては、それがいいのだろうが、若い自分にとっては、1日を無駄にしているようにしか思えなかった。

そう思うと起きる事さえ億劫になる。




「辰巳!早く起きなさい!!今日は雨なんだから早く家をでないと、学校に遅れるよ!」


(うるさいな)

「起きてるよ!」

辰巳は急いで着替え、母の顔を見ずに家を出た。
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