あしたになれば

―廃墟は、学校から山道を歩いて、15分程で着く場所にある。

だが、雨のせいで足場はぬかるみ、予定以上に時間がかかる。

制服のズボンは泥で汚れ、靴の中にも泥が入り、気持ちが悪い。

ローファーで来た辰巳は、後悔をした。

(明日にすればよかったな)

辰巳はそう思った、2人も同じ気持ちだった。

「今日じゃなくて良かったな」

そんな事を言われると慎太郎は、すいませんしか言えない。




山道を進む度に、雨は激しくなり傘の必要性もなく、視界も悪くなる。

救いは、廃墟が目に入る所まで来た事だろう。

辰巳達は廃墟が近くだと気付くと、制服が汚れ靴に泥が入る事を忘れ走った。
< 13 / 68 >

この作品をシェア

pagetop