あしたになれば
辰巳も慣れたように、飛び越えた。

慎太郎の番だが、慎太郎は運動神経が良くない。

辰巳と公平が、イライラするほどの遅さで門を越えた。

「早く入るぞ!」

イラッとしながら辰巳が言う。


辰巳が、先に廃墟に入った。

―うっ…

ほこりの匂い、カビの匂いそしてあの不快な匂いに驚いた。
屋敷の気味悪さに、拍車をかける。


―早く、帰ろう

「雨も強くなってきたし、早く探そう、どこら辺に落としたんだ?」

慎太郎は慌てた様子で、こっちです、と奥へ進む。


進むにつれて、闇になって行く。
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