あしたになれば

1

いつもは自転車で、学校に行くのだが、激しい雨なのでバスで、学校に行く事にした。

―あっ、居たか…

バス停には、1つ下の慎太郎がいた。

慎太郎は、東京に興味があるらしく、辰巳に会う度に東京のことを聞いてくる。


慎太郎は元気に
「辰巳君、おはよう」

「おう」

辰巳は冷たく答えるが、慎太郎には、それがかっこよく見えてしょうがない。

TVでよく見る田舎の少年が、東京からきた人にあこがれる、あれだ。

(めんどくさい)

辰巳は、慎太郎の事を嫌いではないが、2年も同じようなことを聞いてくるので、正直めんどくさい。
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