あしたになれば
辰巳は、申し訳ない気持ちになる「ごめんな…」

「いいんだよ、まぁ、元はと言えば、慎太郎のせいだし」

「…すいません」

嫌な雰囲気になった、しかし、公平は笑った。

「俺が来て良かっただろ、慎太郎と二人だったら、大変なことになってたな」

「そうかもな」

辰巳も笑えてきた。

「本当に今日はすいません」

「いま、謝られても意味ないな、明日何か礼してもらうぞ、なっ辰巳」

口と眉をあげ

「だな、とっておきのお礼頼むぞ」

慎太郎は苦笑し「はい、分かってます」

辰巳はどんなお礼をしてもらおうと考える、多少は気が紛れた。

学校が、見えた時には匂いは消えた。

―もうあの匂いはしないでくれ
そう願うしかない。
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