あしたになれば
最近だと、そうだなぐらいの相づちで、終わっている。

だが、それは慎太郎に冷静な都会の人にみえる、そんなやりとりをしていたら、バスが来た。

「先にどうぞ」

慎太郎なりの、上に対してのもてなしだ。

「ああ…」


辰巳が、バスに乗ろうとしたとき。

―うっ

とても不快な匂いがした。
「何か匂うな」

慎太郎は、不思議そうな顔をしながら
「またですか?別に匂いませんよ」

「なんか、最近鼻が敏感なんだよなぁ…」

辰巳が気分を悪そうにしていると、慎太郎が心配そうに見てくる。

〈時間が過ぎる〉


慎太郎は、はっ、と思い出した。

「そうだ、辰巳君今日ちょっと着いて来てほしい所があるんだけど、大丈夫ですか?」
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