あしたになれば

ギヤを取るのに手間取る、ギヤを抜く専門の道具も壊れそうになったが、なんとか取れた。

ギヤを交換し、屑詰まり除去を始める。

(本当に酷い屑詰まりだな)
舌打ちが出る。
屑を取っても取っても、屑が出る。75リットルのごみ袋1袋分屑を取り終えると
「凄い、詰まってるね」

後ろを振り向くと、さっきの若い娘が立っていた。

「そうですねぇ、だいぶ無理して使われてますね」

「シュレッダーって簡単に壊れないものだと思ってた
「そうですね、お客様は良くそう思われる方が多いんですけど、何十枚と一片に細断すると負荷が凄いですから」

「へぇ~」
若い娘は関心した顔をする。

邦裕は黙々と作業を進めるが、娘は立ち去らないで作業を見つめる。

(作業しづらいな)

邦裕は喋りかけた。
「いま、学生ですか?」

「ウチ?うん学生だよ、だけど学校行ってない」

若い娘は、普通の事の様に言う。
< 36 / 68 >

この作品をシェア

pagetop