あしたになれば
バスに乗っている途中、邦裕は耳鳴りがした。

進むにつれ、耳鳴りが酷くなっていく、頭痛に近いものがあった。

理解のできない痛みで、顔にでてしまった。

それを見た奈央は心配そうに「どうしたの?」

「なんか、頭痛がして」

奈央は更に心配そうなかおになる。

耳鳴りから、頭痛に変わった時にバスが停留所から突然動かなくなった。

「ん?なんで停まってるんだ?」

奈央は、邦裕を心配しながら外を見る。
停留所には、緑色のポンチョ型のレインコートを着た男が立っていた。
バスは一つしか走ってないので、乗ることは確実なのだろうが、一向に乗ろうとしない。


「あの人なんだろうね?」
頭痛を我慢して、邦裕は外をみる。

「彼はこの町の人?」

「ううん、見たことない」

バスの運転手が、怒りぎみに「乗るの?乗らないの!?」

すると、レインコートの男は静かに乗車した。
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