あしたになれば
階段を昇りきって
「どっち?」

「右に行って、事務室があるから」

「分かった」


すぐに事務室の前に着いた。
中には誰もいなく、奈央が何を考えているか邦裕はわからない。

「着いたけど、どうする」

「警察に電話しなくちゃ」

邦裕は苦笑して
「なるほど…、電話か、俺携帯もってたよ」

奈央も苦笑した。

内ポケットから携帯を出して、操作しようとする。

「あれ?」

携帯は濡れていて、全く動こうとしない。
困った顔で

「駄目だ。雨に濡れたせいで携帯壊れた」


「こんな雨なんだから、しょうがないよ、ここから電話すればいいし」
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