あしたになれば

辰巳が、教室に入ると一斉に『おはよう』という声がとび交う。

辰巳は東京にはない、この感じが苦手だ。

辰巳は、彼等が上辺で挨拶をしている訳ではないと、分かっているからとても苦手に思う。

「おう、おはよう」
辰巳なりの元気な声で、朝の挨拶をする。

あまり声が、でていないのは分かっていたが、辰巳なりの頑張りだった。

辰巳が席に着くと、同級生の公平が来た。

「おはよう、やっぱり辰巳から借りるＤＶＤ面白いよ、本当に辰巳みたいな東京の友達ができて良かったよ」

「あぁ…」

公平は笑いながら
「本当に馴染まないな、まぁ、そういう所が女子にもてるんだろうな」

「そんな事はないよ」

「嘘つくなよ、いつも下駄箱に、手紙入ってるの知ってるぞ!」