あしたになれば

休み時間、笑顔で慎太郎が来た。

「辰巳君、今日バックレないでね」

そう言って、何処かに行ってしまった。

―ばれてたか…

苦笑いを浮かべていたら、公平が気付き近づいてきた。

ニヤリと笑い
「どうしたんだよ、後輩にいじめられてるのか?」

辰巳は苦笑しながら
「いじめられてる訳ないだろ!昨日慎太郎が、廃墟に落とし物したから、付いてきてほしいって、頼まれてさ」


「廃墟?山の屋敷か?」

「あぁ…」

大笑いをし
「可哀想に」

「正直めんどくさいんだよ、行くのは構わないけど、慎太郎と2人になると、東京の事聞いてくるだけだからさ、別に慎太郎が嫌いって訳じゃないんだけどね…」

少し間があった
「そうか…じゃあ俺も付いて行くよ!」


公平も行くとなると、行かなくてはならない状態になるから、辰巳は嬉しくなかった。
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