空の窓から
「何笑ってるの?」

いいものを見た、と言わんばかりのトーンの声が、右の方から聞こえてきた。

改めて、そちらを確認すると、思っていたより若干の距離があった。

もうこちらの方は見ていないだろう、と思っていたのでそちらを見たのだが、
声の主は、半身ながらも、しっかりとこちらを見ていたのだった。

(若干、気恥ずかしいゾ。)


…。「そうかな。」

素っ気無く、一言だけ言い放つ。暗に、笑っていたつもりはない、という意思表示だ。

とはいえ、心地良さに浸っていたのも事実なので、もしかしたら笑っていたのかも。

でも笑ってるつもりは、やっぱりなかったんだけどな…。


気恥ずかしさも手伝って、寝そべっている体を起こす。

少しだけうつむきながら、軽く呼吸をする。

それから、少しだけ顔を上げてみる。


「まぁ、笑ってるように見えたんだけど…それより、この後どうするの?」
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