JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「ねぇ、倉坂さんとかどうよ」
真佐がチラっと視線を倉坂さんに向けた。
「え?」
「菜々子の好きになりそうなタイプじゃん。ああいう、ヒーロー系」
真佐には何でもお見通しだった。
何度となく一緒にコンパに行っているし、今までの彼氏も紹介している。
「真佐は、どう思う?」
「え?あ~、完璧過ぎて私はパスだな」
真佐はそう言って、焼酎をグイっと飲み干した。
私の目の前は突然明るくなった。
お花畑の中にいるよう。
「真佐、好みじゃないの?」
「そうだなぁ。イイ男だなって思うけど。菜々子が頑張れば?」
真佐がライバルにならなかったことが嬉しすぎる。
ホッとして涙が出ちゃうかと思った。
それくらい、私は倉坂さんに惚れてしまっているようだ。