JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「私、倉坂さんとホテル行ったんです。私の勝ちじゃないですか?」
ホテルには行ったけど、何もしていないと倉坂さんは言った。
それを私は信じる。
「倉坂さんって素敵ですよね。筋肉質だし、それでいて優しいし、色気もあるし」
うっとりした表情で、目を閉じたゆめちゃん。
一体、何を思い出しているんだろう。
筋肉を見たの?
「キス、上手ですよね~」
ゆめちゃんの口からそんな言葉が出るなんて・・・・・・
心臓がバクバクして、唇が乾燥していく。
「キスとかしてるんだぁ、ゆめちゃんと倉坂さん」
「え?相沢さんはしてないんですか?」
勝ち誇ったような顔で、私を直視するゆめちゃんに、私は言ってしまった。
言わなくてもいいのに。
「キスくらいしてるもん!!」
バカだ。
何、張り合ってんの?
キス魔だとしたら、キスなんて挨拶のようなもんじゃん。
キスしてたからって、勝ったわけでもないし、実際に、ゆめちゃんにもキスしたんじゃん。