JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「でも、絶対彼女いるよ。倉坂さんは」
真佐は、テーブルに肘をつき、セクシーな表情でそう言った。
少し茶色いストレートのロングヘアー。
茶色い瞳。
憧れちゃう美しさ。
「彼女、いるよね。きっと。たくさん」
「だね。いっぱいいるだろうね」
「いっぱい泣かせてきたね、きっと」
倉坂さんは、仕事の話に夢中で私達のこんな会話にも全く気付いていない。
真剣な横顔にドキドキが止まらない。
上司が席を立ったので、倉坂さんが私に話しかけてきた。
「どう?」
どう?って聞かれても・・・・・・
「倉坂さんはどうですか?」
訳のわからない質問をしてしまう。
真佐は笑いをこらえるのに必死だった。
「相沢、酔ってるだろ?」
「酔ってないですよ」
「いや、完全に酔ってるな」
はい、正解です。
私は酔っています。
お酒にではなく、
あなたに・・・・・・
あなたに酔っているんです。
少しトロンとした倉坂さんの優しい目や、目じりのしわ、低いのに甘い声。
上司と話していた時と別人のような雰囲気で。