JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「冷たくされてもいいから、あんたがすぐに話すべきだったんだよ」
真佐は、私の足先を足で蹴る。
「だよね。でも、怖くて・・・・・・」
「こうなる方が怖いよ。もう、絶対キスしてくれないよ?」
「って、別にキスがしたいわけじゃないもん」
真佐は、倉坂さんのキスを狙っているひとりだった。
「今なら、私にもチャンスあるから。1回味わってみたいんだよね。壮志のキス~」
私を怒らせるようにわざとそんなことを言う真佐だけど、ちゃんと心配してくれてる。
「旅行が、チャンスじゃない?仲直りの」
真佐は、揚げ出し豆腐をセクシーに口に含みながら言った。
「うん。私もそう思ってる。でも、ふたりきりになれるかな」
「そこは、私の腕の見せ所でしょ。協力するから頑張りなさい」
真佐の協力があれば、何とかなるかもしれない。
私は、ししゃもを頭からかじり、気合を入れた。
「頑張る!絶対に仲直りしたい!!」
「頑張りなさい。好きだって言ったんだから、もう相手に遠慮することないんだよ」
私と真佐は、日本酒で乾杯し、社員旅行へ思いを馳せた。
「真佐は、社員旅行で近付きたい人いないの?」
社内で人気の男性社員との噂、数年前からあるんだよね。
きっと彼は真佐のこと狙ってる。
「社内恋愛は向いてないからパスパス!」
と誤魔化した真佐。
「私の協力より、自分のことも頑張ってね」
私がそう言うと、それもそうねと笑った。
「私は私で、頑張るから!」
私の力強い一言に、真佐は母親のような温かい目を向けた。
取り戻す。
絶対に、倉坂さんと仲直りしたい。