JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「荷物、貸して。重いだろうから俺が乗せよう」
城ノ上さんは、裕美子のバッグを軽々と持ち、バスの下に入れた。
裕美子は、緊張しているのか、戸惑ったような顔をしていた。
「それでは、全員集まったみたいなんで、出発します」
大きな声が聞こえた。
大好きな声。
その声の主は、倉坂さんだった。
中間管理職である倉坂さんは、うるさい上司とだらしない部下の間で、いつもまとめ役を任されている。
そんな姿を見て、ますますファンが増える。
「倉坂さんと旅行行きたかった~って他の部署の子が泣いてましたよ」
裕美子は、そう言って、バスに誘導する倉坂さんを見ていた。
「私達、ツイてますよね。倉坂さんと一緒だなんて」
「裕美子、城ノ上さん派なんでしょ?」
「そうだけど~!倉坂さんも、かっこいいですよね。相沢先輩はどうなんですか?」
「私のことはいいんだって!」