JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「きゃー!綺麗な旅館ですね。これは、夜になるとカップル誕生しそう~!」
「本当だね~!いい感じだね」
古風な佇まいなのに、内装は近代的。
ヨーロピアンと和の融合したような不思議な旅館。
「やばいですよ~!これは」
盛り上がる裕美子のお尻をむぎゅっと掴むと、嬉しそうに微笑んだ。
「えへへ。私もジョーさんに近付きたい」
ジョーさんというのは、私と裕美子の間での城ノ上さんのあだ名。
まぁ、バレバレなあだ名なんだけどね。
「ジョーさんに告白するとか、考えたことないの?」
軽い気持ちでそう言った私に、裕美子は真剣な表情になり、静かに答えた。
「本気で、告りたいです。本気で、ジョーさんを好きになりたい。なれたらいいのに」
「もう本気で好きなんじゃないの?」
「まだ、私は何も知らないですから」
思い詰めたような裕美子の表情を見ていると、もう本気で好きなように見える。
「はぁ、私どうしたらいいんでしょう」
あらら。
この社員旅行、いろんなところでいろんなことが起こりそう。