JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
ふたりで温泉につかりながら、しばらく黙って空を見上げた。
裕美子はそれ以上何も聞いてこなかった。
「私、倉坂さんのこと好きなの」
言うつもりはなかった。
でも、この気持ちの良い開放感の中で、自然と口から出た。
「何となく気付いてましたけど、話してくれてありがとうございます」
「知ってたの?」
「はい。おふたりが、一緒に帰るところを一度見たんです。彼氏さんなのかな~と思ったけど、倉坂さんいろいろ噂もあったし、付き合ってるわけでもないのかな、と」
会社の近くでお茶したりしていたんだし、見られていても不思議はない。
でも、見られたのが、裕美子で良かった。