JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
こんなシチュエーションで会話できるなんて一生ないかもしれない。
勇気、出そうかな。
と、その時、派遣組の女子数名が露天風呂に入ってきた。
ゆめちゃんはいなかったけど、倉坂さんを狙っていると噂の子がいた。
「チャンスだったのに」
としょんぼりする裕美子。
「もうだめだね」
私と裕美子は、ツボ湯に入り、ため息をついた。
さっきの大声の主はお調子者の営業部の課長だろうと、裕美子と私は話していた。
「キャーーー!!倉坂さんですかぁ?」
と派遣女子の声が響き渡る。
さっきまで黙っていた倉坂さんが、こっちに向かって話してくれたようだった。
私と裕美子には聞こえなかった。
「くらさかさ~ん!」
と黄色い声を上げる。
私はがっくりと肩を落とし、脱衣所へ向かった。