JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「私、頑張る!!」
私は裕美子の帯をぎゅっと締めながら、そう言った。
「その勢いですよ!絶対に今日がチャンスですから」
このチャンス、大事にしなきゃ。
ちょっとだけお酒の力を借りて、勇気を出すんだ。
裕美子と私は肩をぶつけながら、大広間へと向かった。
前から仲の良い後輩だったけど、この社員旅行でぐっと距離が縮まった気がする。
大広間には、ほとんどの社員が集まっていて、私と裕美子が入るとちょっと注目されてしまった。
奥の方にいた上司が手をあげて、私達を呼んでくれた。
入口付近にいた倉坂さんの背中を見つめながら、後ろを通る。
「おっせーな」
そう言って、倉坂さんがニヤリと笑ってくれた。
目が合った。
どうしたんだろう。
昔に戻ったみたい。
時間が解決してくれたってこと?